言葉のサラダ

忘れがたい人、風景、出来事たちの話をします。

美しい人。

僕のことを孫のように思ってくれていたのだろう。その人は僕が田舎で働いていた時に、担当したおばあさんだ。大げさではなく命が関わるような問題がおばあさんにはあって、それを一緒に解決をした。すっかり落ち着いた後も経過観察のために、月に一度くらい…

おどる人。

もう大分前になくなったヤリ部屋で、その人と出会った。まだゲイの人とあまり会ったことがなかった頃の話だ。暗い部屋の中で、その人の輪郭はいやにくっきり見えたのを覚えている。引き締まった体、鋭い目。無駄のない動作。ネコ科のハンターみたいだ、と思…

彼の部屋。

彼と会うときは、いつも彼の部屋だった。 あまり広くないその部屋は、彼が好きだというハワイの雰囲気がした。 そのハワイっぽい部屋で、いつも僕らは抱き合って、終わると色々と話をした。 屈託のない笑顔で、最初に会ったときから個人情報も何もかも開けっ…

ある友達。

そいつとはじめて会ったのは、おれが不倫をしていた時だった。 つまみ食いじゃなくて、不倫。 その不倫相手と微妙にうまくいかなくなってきていて、でもまだ終わりになるのかならないのか分からなかった時期。 関西在住のそいつがたまたま都内に来ているとか…